学童での別れとタロット8番(700文字)

1年生 2年生の 兄弟

2年生、4年生の 兄妹

 

どの子も、私にとっては、しっかり心を配って、目も配り

向き合いながら、心とふれあいをしてきた子供たちだった。

 

特に、4年生の男の子は、学校でも学童でも問題児と言うレッテルが貼られていた。

彼がいなくなることを悲しむ人は・・・私だけだと思う。

反抗的だから、彼の売り言葉を買ってしまう大人。

注意は、罵声に変わっていく。

 

私は、彼のリクエストに応えてきた。

非常に優れた才能を持つ子供でもあった。

家庭内の暴力や罵声の中、これだけで済んでいられたのは

彼がお母さんを守ることへの表れだとも思った。

 

彼との信頼関係を作り続けてきた。

ここでは、私だけは味方でいようと・・・それは、たぶん、

私の 【母性】なのだと思う。

守る...

 

彼は、私のいうことだけは聞いてくれた。

他のだれがどんな大人の権力を使って大声で怒鳴っても

謝るどころか、大人を言い負かすだけの言語をも持っていた。

 

私のしたことは、まったく目に見えないこと。

誰にもわからないこと。

本人にもわからないかもしれない。

それでいいんだと思う。

 

私の力は、握力が強いとかいうリアルな力ではない。

私の力は、タロットカードの8番

 

8. 力
正位置・・・勇気。自己犠牲。念力。インスピレーション。不可能を成し遂げる力。常識や社会通念の打破。偉大な精神的指導力。忍耐。努力と忍耐による愛の勝利。理想へ向かう。相手の醜い欲望をなくさせる。危険を恐れない勇気をもつなら計画を実行に移すことが出来る。


 
力で負かすことではなく、
 
安心させること、敵ではないと教えること、やさしさでライオンを猫にしてしまうよう
な・・・
 
「元気でね」と
 
彼の背中に手を置いて、そう囁いた。